強烈な思春期の、研ぎ澄まされた感覚が羨ましい

 はじめまして、名前を坂本ミヤーと言います。唐突ですが、今日は風が強くて、強風注意報。体感温度は4度。僕は生脚JK☆なのでとても寒い。私は風に飛ばされるスカートを押さえる気もなく、吹かれるがまま、帰路に着きました。不本意にも追い風に背中を押されて、今高所に立ってしまった自殺志願者ならもう死んでしまっただろうと思いました。暖かな春が来たと思えば雪が降り、私たちはなんとなく上手くいってない政治と天気に振り回されている。そのせいか私は憂鬱が二週間ほど続いています。

 ところで、私には好きな人がいます。好きな人はとてもセンスが良くて、文才、画才、対人能力、何でもできる無敵の人である。そう思っていました。しかし彼には彼なりの悩みがあったみたいです。それが僕には少しだけショックで、少しだけ安心しました。勝手に彼を無敵の人にしていたけど、色々乗り越えた結果が今の彼なのだと思うと感慨深い。(何様なんだ)

 彼との付き合いは二年と、短くもあり長い月日ですが、彼は私に生き方を教えてくれました。このブログだって、彼の影響です。文を書くには初々しくて拙いですが、頑張って書いてみようと思います。

 三年前の私は確実にうつ病でした。残念ながら精神科にかかることが身内に制限されていましたから、医師の診断は得ていませんが、それはそれは地獄のような日々でした。ベッドで寝たきり、動く気力も物理的なエネルギーもない。あの頃は、食事も睡眠もちゃんと摂れていませんでした。頭の中も空っぽ、集中力は無いし、独りになると自分を傷つける言葉ばかりがぐるぐる悪い龍みたいにそこにいる。でも、1人になりたかった。だけど寂しい。私は文字すらも読めず、この時外国にいた私はサブカルチャーとは無縁でした。こんなに面白い世界があるとも知らず、ただ自分の中に塞ぎ込みました。

 彼と出逢って変わりました。私は変わりました。日本に帰って、日本のサブカル文化がどれだけ魅力的か身をもって実感しました。悔しかった。もっとはやく知りたかった。既に病状が良くなってきていた私は、去年の6月、身内からの許可が降りたので精神科に通い始めた。もっとはやく治療したかった。もっとはやく文字を読みたかった。アニメや映画だって頭には入らないのだ。どれだけつまらない人生なんだ。対して彼、彼はずっとサブカルな人生を送っていて、感覚も研ぎ澄まされて、本当に羨ましい。私が知らない世界をたくさん知っている。作品の数、経験、知識、何もかも負けている。センスに惚れるということは降伏するのと同じことなのだ。

 3年のハンデはやはり大きいものだった。言い訳になどしたくないが、見過ごしてがむしゃらに努力できるほどの体力ももう、残っていなかった。なんとなく今までの勉強の延長線の大学に進んで、何となく大学生をしようとしていた私だが、きっとサブカルチャーコンプレックスを拗らせて死ぬだろう。きっと死ぬ。死ぬ!

 そんなコンプレックスを拗らせた私はついに東京の美大に行くことを決心した。東京のコンプレックスも持ってるから。きっと東京でなければ死ぬ。勉強頑張ろう。

坂本ミヤー